快眠は寝室だけでは完結しない!?

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途中で目覚める配慮は、できてますか?

快眠仕様の寝室に整えたとして、それで完結はしないのです。

睡眠の途中でトイレに行くのであれば、トイレまでのアプローチ、トイレにも配慮が必要です。

寝室という点は完璧でもトイレまでの線となった時、つまり移動が生じた時に、快眠をキープできる仕組みが必要です。

特に影響するのは照明環境。

 

寝室は快眠のための環境が整っているのに、寝室を一歩出ると別世界のごとく、夢から覚めるような煌々とした照明では一気に眠気が覚めてしまう可能性が高いです。

これは寝室という点だけで考えていて、移動という連続した線を考慮していないことに原因があります。

逆に言えば、線としてスムーズに入眠できるような流れを整えると、再びスムーズに眠れる可能性が増えるのです。

そんなの寝室、廊下、トイレの移動の照明についてをご紹介します。

 

家づくりやリフォーム時に仕組み化しておくのが理想的ですが、既存のお住まいでもちょっとした工夫で対応する方法をメインでお届します。

途中でトイレに起きない方にとっても、心地良い入眠を促す効果もありますので、ぜひ参考になさって下さい。

 

光と睡眠の関係

睡眠と光は大きく関係している。一度は耳にしたことがあると思います。

人間は太古から太陽が昇ると目覚め、太陽の出ている間は活動し、太陽が沈むと休息モードになる。

このサイクルを人類は長年繰り返し、私たちのDNAに深く刻み込まれています。

この自然のサイクルに見習って、光(照明)を整えることが、理に適った方法なのです。

 

照明デザイナーは線で考える

照明はインテリアの一部ではありますが、照明はとても専門性が高いので照明デザイナーという職業もある位です。

以前、照明デザイナーの方のセミナーを受講した時に、印象深いお話を聞きました。

照明は1室ごとで考えず、家ならば玄関から廊下を通って、リビングに辿りつくまでを流れるように移動できる光を配置する。

部屋によって光の強弱や質があまりにも違い過ぎると、不自然で疲れる。

奇抜な光は簡単だけれど、自然にみせることがムズカシイ。

このようなことを仰っていました。

 

照明デザイナーさんの目指している所は、どこまでも自然な光なのです。

高い専門知識と数々の経験で、自然で美しい光を追求している照明デザイナーさんからヒントを頂き、快眠に関わる移動の光を考えてみます。

 

快眠のための移動の照明

自然のサイクルである太陽の光の移り変わりと、照明デザイナーさんの大切にしている連続性、この2つを意識すると、眠りの妨げをがかなり減ります。

 

その為の条件は、光(照明)を調整することです。

24時間、いつでも同じ明るさということは自然界にはありません。

太陽が顔出す時間もあれば、沈んでいる時間帯もある。

また、沈む手前の特別な太陽の光の状態もある。

 

快眠の移動空間と言えば、移動が安全にできるほのかな明かりで良いということです。

もし、廊下やトイレの照明の調整が出来ないようであれば、夜間は照明をオフにして、別のほのかな明かりを用意しておくのがおススメです。

 

自然のサイクルに合った夜間に向く移動の照明

自然のサイクルを見本にすると目指す照明がわかります。

夜間は太陽が沈んでいるので、赤っぽくて暗い光が理に適っています。

キャンドルの炎のようなほのかなオレンジ色の光です。

白っぽい明るい光は、日中の光を再現していることになるので、自然のサイクルには合っていない光と言えます。

ということで、基本的に廊下・トイレの夜間の照明はほのかなオレンジ色の光が適しているのです。

 

自然のサイクルに沿った理想的な照明環境は、太陽が沈んだらオレンジ色で暗めの光。

そして移動空間は、各所での明暗・光の色の差に違和感ない状況が理想です。

 

調光調色できる照明であれば、自然のサイクルを再現させることもでき最強です。

オフィスや病院だけでなく、最近は住宅でも時間の移り変わりにより、自動的に調整してくれる照明システムも出てきています。

自動となると、かなりコストもかかりますが、手動であればそこまでコストはかかりません。

手動での調整の仕方は簡単です。

朝になったら白っぽく明るい光にし、夕方からがオレンジ色っぽく暗くしていく。

夜遅くなるに従って更に暗くしていく。

こんな太陽のサイクルを真似すれば良いのです。

新築やリフォームの際は、廊下やトイレも調光調色タイプの照明器具を選んでおくと良いですよ!

光は睡眠に大きく影響するので、睡眠にお悩みの方は移動空間も、光の調整ができるタイプにすることをおススメします。

 

特に注意した方が良いこと

映画館やアミューズメント施設など、暗い所から明るい所に出て、目がチカチカした経験はありませんか?

反対に明るい所から暗い所に移動した時、目が慣れるまである程度、時間がかかりますね。

 

これは誰しもが起こることですが、年齢を重ねると更に目が慣れるまで時間がかかります。

移動空間ではこの目の反応からも、明るさに大きな差がない方が良いのです。

特に高齢の方の場合は、目が十分慣れるまでに足元がふらついて転倒するリスクも出てきてしまいます。

これが階段周辺や段差のある場所であったら、骨折や寝たきりの引き金にならないとも限りません。

 

寝室から出た廊下が強い光(明るい照明)だった場合、覚醒してしまうだけでなく、安全面からもおススメできません。

 

移動のための寝室の照明

パートナーなど寝室を共有している場合、夜中の照明については相手の方への配慮も必要となるでしょう。

光に敏感な方の中には、ちょっとした光が気になる事もあるでしょう。

その意味では暗い光の他に、光の高さも気になる所です。

 

ベッドで寝ている場合、寝ている目の高さよりも下にあると光の感じ方も和らぐでしょう。

一緒に寝ている方が光に敏感ならば、スタンドを床に置いてみたり、足元に移動してみたり、目の位置から離れた所に照明器具をずらすのも良いかもしれません。

この場合は、スタンドが倒れることも考慮して、万一倒れても破損したり怪我のないような素材の軽いタイプを選びましょう。

 

最近はフットライトを設置する方も増えています。

停電になった時に懐中電灯として取り外せるものもあり、壁の低い位置にコンパクトについているので、シンプルでインテリアに溶け込みます。

フットライトは新築やリフォームを考えている方にはおススメです。

 

.png - 快眠は寝室だけでは完結しない!?

フットライトを付けない場合は寝室の照明を上手に利用しましょう。

この照明も光の調整ができる事が必須です。

手軽なのは光の調整ができる照明器具を使う事です。一番リーズナブルで一般的なのはシーリングランプと言われる天井に貼りつけた形状でリモコン操作できるタイプです。

または手元でオンオフできるスタンドタイプですね。

 

これから照明器具を買う方に向けてのアドバイスは、シーリングライトだったら調光(明暗といった明るさの調整)だけでなく、調色(白色、電球色など光の色が変えられるタイプ)機能付きをおススメします。

 

調色できるメリットは、朝の目覚めは覚醒を促す白っぽい光が適しているので、朝は白色。夜は電球色と自然のサイクルに合わせた光を再現することができるのです。

 

スタンドを買う時は、読書や作業をしたりするスタンドよりも雰囲気重視のタイプが適しています。

というのは、作業と睡眠前に適した光は質が違うからです。

最近は調光調色タイプのスタンドも販売されているので、両方を兼ねたい時には、そちらを選ぶと良いでしょう。

 

廊下の照明

先にお伝えしたように、寝室と極端に明るさの差が大きいと、覚醒するだけでなく安全性も欠くことがあります。

廊下の照明の調整が出来ない場合は、廊下の照明をオフにし点灯してみるのも手です。

廊下にコンセントがあれば、コンセントに差し込む簡易的なランプも売られています。

 

コンセントがなければ、電池式や充電式の照明器具を寝室の出入り口に置いておき、寝室から出た所にスイッチをオンし、寝室に入る際にオフにすれば電力の節約にもなります。

ほんのり周囲を照らすくらいの明るさが良いです。

 

トイレの照明

夜間のトイレの照明も、基本的には廊下と同じ位の明るさが理想です。

廊下の明るさと極端に差がない方が良いからです。

とは言え、トイレは移動だけでなく手を洗ったり紙を取ったりと、複数の行為が必要ですから、その動作に支障のない明るさは必要です。

 

そしては健康チェックの場でもあります。

体から排出したものが健康状態を表しているので、日中は適度な明るさが欲しいもの。

特にトイレ内に窓がない場合は、日中は明るく照らせる照明器具も必須条件と思って下さいね。

(そういう意味でも、トイレ内は光の調整ができるものが理想です)

 

余談ですが、手を洗う時に水の冷たさで眠りが妨げられるとすれば、何かしらの対策は必要でしょう。

工事をして温水にする。またはウェットティッシュを用意しておくなどでしょうか?

 

まとめ

 

快眠のための寝室というと、ベッドルームだけ整えれば良いと思いがちなのですが、実はそれだけでは足りない場合があります。

寝るという1つを単独に考えるのではなく、寝ることに関連した流れも一緒に整えることが大切です。

 

今回ご紹介した方法も、まだハードルが高い…そう思われた場合は、廊下・トイレと1台の懐中電灯で済ませるのも手かもしれません。

 

その時には、快眠という光の明るさから覚醒させない事と、安心して移動できる安全性の両方の視点で取り組んでみて下さいね。

 

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