地味だけどとても大切な空気環境
あなたは季節によって、睡眠の質に違いが出ますか?
例えば
真夏は暑くて快眠できない
真冬は寝起きで喉が痛くなる
気候によって何かしらの睡眠での不都合があれば、寝室の空気環境にこだわってみて下さい。
もともと私は寝室にこだわりはありませんでした。
かと言って、寝付きが良いわけでもなければ、喉が痛くて目が覚めることも結構ありました。
夏は完全にアウトでした。
本当に寝苦しくて寝付けないし、寝た気がしないで朝になる…
こんな私が寝室の環境にこだわるようになって、途中で目が覚めることもなく、気づいたら寝ている。そんな状態になりました。
今回は主に寝室の室温と湿度を快適にする方法についてです。
空気環境にこだわる理由
寝室に無頓着だった頃、眠れない原因を探ってみたら、ある共通点が見つかりました。
それは、室温と湿度という空気に関する事ですね。
夏の寝苦しさは室温と湿度が共に高い
喉の痛みは湿度が低い
また冬の朝にベッドから出られないのは寒いから。
だったら「空気を何とかすると、良くなるんじゃない?」そんなシンプルな発想に至りました。
そして色々調べるうちに、その通りだとわかり、改築の際に寝室環境にこだわったことで、睡眠の質が良くなったのです。
特に最近の夏は猛暑が続き、夜でもエアコンを付けっぱなしにして寝ることが推奨されてもいます。
暑い部屋で寝ることは、睡眠の質が落ちるどころか、命に関わることもあるのです。
当たり前ですが暑いからと言って、太陽を小型にしようとか、日照時間を早々に切り上げるなんてことは出来ませんよね。
つまり外的要因をコントロールすることは出来ないので、エアコンやちょっとした寝室の工夫で対処するのが良いのです。
複数のアイディアの中から、あなたの暮らしに取り入れやすい事から取り入れてみて下さい。
まず最初にすること
何事も最初にするのは現状把握です。
今回は、今のあなたの睡眠状態を振り返りましょう。
・特定の季節で睡眠の質が落ちることはあるか?
・良く眠れる季節はあるか?
・良く眠れる季節と眠れない季節の差は何か?
(室温や湿度に関わっているか?)
・その他、眠れない時はどんな状況の事が多いか?
どうですか?
何となく、あなたの睡眠を妨げる要因や状況は見えて来ましたか?
まずは思い当たる原因を対処してみましょう。
小さくはじめるのも大切
どんなことで試してみなければ、効果のほどはわかりません。
ある人にとっては効果の大きかったことが、自分には当てはまらなかった。こういう事は珍しくはないものです。
だから現状把握がしきれていない時や、根本原因があやふやな時には、リーズナブルにできることで試すようにしています。
仮説を立てて、コストをあまりかけずにリスクを小さく検証する。
そんな感じです。
私の喉の痛みについての小さく検証は、「マスクを付けて寝る」でした。
あるいは濡れタオルをかけておく方法も良いかもしれませんね。
私の場合はマスクでほぼ症状が出なくなったので、やっぱり乾燥し過ぎは私にとっては体調不良の原因になる。
そう判断できたのです。
そして改築の際は、寝室の壁は調湿効果のある漆喰にしました。
今はマスクなしで寝ています。
ただし、夏の暑さで眠れないという明らかな理由の時は、検証するより、一刻も早く対処しましょう。
健康を損なったら対処にかかったコスト以上にお金もかかれば、時間も労力も気力も消耗してしまいます。
盲点を確認しましょう。
盲点を知っておくと、ムダを省き、高い効果を得るのにとっても有効です。
という事で、寝室の空気環境についても盲点を抑えておきましょう。
昔の家は隙間風が入る隙間だらけの家のつくりをしていましたが、最近の家はほぼ高気密住宅が主流です。
密閉状態の隙間がほとんどない家のことですね。
高気密住宅の良い所は、室温などコントロールしやすい点です。
というのも隙間だらけだと、外部から歓迎できない敵(冬なら冷気)が入り込んで来るのです。
エアコンで室温を調整したのに、入ってくる隙間風で設定温度より寒く感じた経験、ありませんか?
その点、高気密住宅だと敵が入り込めないですから、空気環境がコントロールしやすいのです。
まずは隙間風が入って来ないか?を確認してみましょう。
隙間風は窓やドアの開口部から入ってくることが多いです。
開口部周辺に手を当てて、風を感じたら隙間風の可能性があります。
そんな時は、カーテンなどで隙間風の侵入を遮断することから始めてみて下さいね。
空気環境の整え方
適切な室温は夏は26℃位、冬は室温は16~19℃です。また、湿度は共に50~60%と言われています。
暑がり、寒がりがあると思うので、これを目安にしながらご自分にとってベストの数値を見つけてみて下さい。
そのためにも、まずは温度計と湿度計を用意しましょう。
私はシンプル・小ぶり・目立たない・落下しても安全なので、100円ショップで購入したものを使っています。
エアコン
室温の調整の代表選手はエアコンでしょう。
エアコンと言っても、機種によって能力と機能に差があります。
除湿もしたい?
空気清浄機能も欲しい?
シンプルに冷房と暖房で良い?
自己分析により、室温や湿度に対して敏感だと感じられたら、ある程度機能が充実したモデルをおススメします。
短期的にエアコンを買い替える方は稀でしょうし、機能を重視したモデルの割り増し分も1日あたりに換算したらそう大きなコストではないと思います。
これは私の持論ですが、心と体の健やかさや心地良さにこそ、お金をかけてあげる。
するとそのリターンは計り知れません。
体調の良さが感情の良さを呼び、パフォーマスが上がり、成果もあがるキッカケにだってなるのですから。
もし湿度に対しても敏感だとしたら、湿度に関する機能が付いているのか?
この確認もお忘れなく。
エアコンの取り付け位置に関しては、風が当たることに気持ちの良い方や、配管条件などで一概には言えませんが、私は風が当たるのが苦手なので頭上は避けます。
(改築前は頭上でしたが、改築後は足元に変えました)
風が苦手だけれど諸条件で、エアコン取付が頭上になる場合は、風の吹き出し角度が変えられる機種を選ぶのも手です。
調湿作用のある建材を使う
梅雨時期など湿度が高い場合はエアコンの除湿機能で対処というのが一般的でしょう。
加湿の場合は加湿器や濡れタオルという方法を思いつくと思います。
この方法ももちろん有りです!
ただし、加湿に関しては加湿し過ぎるとデメリットも起こります。
湿度が60%を超えるとカビは急激に増殖するので、くれぐれも加湿しすぎにご注意下さい。
カビはアレルギー原因にもなるので、加湿も度を過ぎると逆効果になることをお忘れなく。
また、加湿器の場合は定期的なお手入れも必要ですし、濡れタオルの場合は見栄えが気になります。
美観を損ねたくない。手間を省きたい。
そういう方には一層のこと、調湿性能のある素材を取り入れてみてはいかがでしょう。
壁紙にも調湿効果を謳った商品は出ていますが、漆喰などの天然の素材からなるものには敵わないというのは良く耳にします。
低価格で一般的な壁紙よりも調湿効果があれば良いかな?という場合は、調湿効果のある壁紙を選んでみるのも良いでしょう。
またコストはかかりますが、洗練されたインテリアと調湿やアレルギー源の吸着をしてくれるエコカラットという選択肢もあります。
得たい効果・予算・好みで選んでみて下さいね。

敷物
冬場、足元から寒さを感じる場合は、ラグなど敷物を使うのもおススメです。
冬だったら毛足の長いタイプやボアのような肌ざわりの良い素材が良いですし、夏にはサラっとした感触のタイプがおススメです。
最近は色んなタイプの商品が出ているので、インターネットで「夏物ラグ」などと検索してみて下さい。
床に敷物を敷くことで、体感温度の調整にもなりますが、多少の音対策にもなります。
一般的には厚みがあるほど音対策には適しています。
通年敷くのでなければ、シーズンオフの収納スペースも考慮して下さいね。
特に冬物は羽毛布団やパジャマなどでも嵩張る可能性がある上に、敷物までも仕舞うとなると、収納スペースを圧迫することもあります。
収納スペースが確保しにくい場合はオールシーズン使える毛足が短く、季節感に影響しない色柄を選んでみましょう。
カーテン
外気の暑い、冷たいの多くは開口部(つまり窓)から伝わります。
これは隙間風という風というのではなく、外と内の接している窓で温度差が大きく生じるからです。
最近は熱の伝わりにくい仕様の窓もありますがコストもかかりますし、窓が暑さ寒さの伝わる場所になることは少なくないです。
冬場に窓近くにいくと寒く感じる…
そんな時は、断熱性のあるカーテンや厚みのあるタイプを選びましょう。
夏場は、レースカーテンで遮熱機能のあるタイプなどがおススメです。
カーテンはインテリアのデザインのみならず、機能的にも大きく影響するのです。
デザインだけでなく、機能面からも適したカーテンを選びたいものです。
まとめ
空気環境は目に見えません。でも過ごす時間が長ければ長いほど、空気環境は体の状態とメンタルに大きな影響を及ぼします。
その一方で、洗練された空間などインテリア的な要素は、目ではっきり見えますね。
今まで多くの方のインテリア相談をしてきた経験から、目に見えることor目に見えないこと このどちらにお金をかけるか?は本当に人それぞれだと感じています。
体調を崩しやすかったり、感覚が繊細な方は目に見えない所にこだわる方が多いですし、体力に自信があり、体に対する悩みがあまりない方は、多少快適さが劣っても、見た目重視に選ぶ方が感じがあります。
どちらが良い悪いはありませんが、現状で何か支障が出ていないか振り返ってみて下さい。
特に年齢を重ねることで、数年前と体質が変わっていることもあるでしょう。
もし、以前と変わってきている…そう感じたら見直すことで、より健やかで心地良い毎日に変えることもできます。
人生の質に関わる睡眠の質を上げる為に、あなたの睡眠傾向と寝室を振り返ってみて下さいね。
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